はじめに
こんにちは!
ACT DAO(アクト ダオ)運営メンバ―のコースケと申します。
この記事では、2023年10月5日に開催したACT DAO主催の「スキルアップ・ミーティング」という勉強会の模様をお伝えします。
スキルアップ・ミーティングとは?
- ACT DAOでは、メンバーが講師となって、その他のメンバーに知識やスキルを伝える活動を続けています。
- 講師は立候補制で、「伝えたい!」という想いや内容があれば、誰でも気軽に発信することができます。
- 教えることで学びが深められ、参加することで新しい知識を楽しく学ぶことができる…スキルアップ・ミーティングは、そんなステキな学びの場です!
9回目の開催となる今回の講師は、ACT DAO運営チームの「おっくん」。
タイトルは『「伝わる」仕事術・表計算ツールの使い方』です!
講師である、おっくんの長年の経験の基づき、「伝わる」ことに焦点を当てた講座となっています。
「これ便利!」
「知らなかった…!」
「分かりやすい!」
といった驚きや喜びの声が飛び交い、(これは伝え方がレベルアップしたな…)と実感できる、大盛り上がりの勉強会になりました。
この記事では、そんな勉強会の内容や空気感を、余す所なくお伝えしていきたいと思います!
参加された方は、学びの復習に。
残念ながら参加できなかった方は、この記事で勉強会の雰囲気を少しでも感じてみてください。
※ACT DAO(アクト ダオ)の活動に興味のある方はコチラ!
この記事の3行まとめ
- 伝わる表の作り方: 相手視点で考えれば、伝え方が向上しムダな時間を削減できる!
- 表計算ソフトの伝わる技術: 伝わる技術を理解することで、信頼性の高い表を作成できる!
- 効率化と信頼性向上: 効率的に伝えることで、相手に信頼感を抱かせることができる!
講師の自己紹介
「何を」教えるかよりも「誰が」教えるかを大切にしているというおっくん。
まずはご自身のバックグラウンドを詳しくお話していただきました!
まとめると、こんな感じです!
おっくんって、こんな人
おっくんの経歴や実績がコチラ!
- 生産、設計、経営、DXなどの分野を20年以上に渡って経験!
- 社内の生産効率化活動で受賞多数、結果、殿堂入り!
- Excel効率化の書籍化の依頼を受ける程の達人!
えっ、ちょっと経歴すごすぎなんだけど…!
いやほんとに。ヒトコトで言うと、とにかく『スゴい人!』ですね!
おっくんが感じた課題
ですが、これだけの濃密な経験を積まれてきたおっくんだからこその課題もあったそうです。
- マクロは属人化しやすく、変化に弱かった。引き継ぎ先もいない。
自分がずっとメンテしないといけないなぁ
- 現場で見た非効率な実態を、なんとかしたい。
あっちの部署とこっちの部署は全然違うんだなぁ
- この表、どう見るの?この数値合ってる?で、何が言いたいの?
単なる効率化よりも「伝える技術」の方が大切なんじゃないかなぁ
このようにおっくんは、現状を分析し、『伝える』ということをポイントに、どうすればよいかを考えていったそうです。
おっくんの大切にしている考え
こんな課題と長年向き合って来たおっくんの、大切にしている考えがこちら。
言われてみると、どれも「確かにな~」と思うものばかりです。
アウトプットとプロセスをしっかり設計する
:誰が何に使うのか?を明確に!
表計算ツールとは、「表」を「計算」する「ソフト」である
:相手目線でミスのない作りに!
小さなことからコツコツと
:小さな基本の積み重ねが大切!
おっくんの師匠
おっくん曰く、このような「大切にしている考え」に至った背景には、2人の師匠の存在が大きかったそうです。
その師匠とは、こちらのお二方!
バン!!
渡辺 拓(わたなべ たく)さんと、
浅田 すぐる(あさだ すぐる)さんです!
お二方の講座を受けたり書籍を読む事で、様々な『伝わる』ための学びが得られたという、おっくん。
テクニックよりも、相手に伝える・伝わることこそが大切だと実感しましたね!
今回の勉強会では、この『伝わる』技術を、スプレッドシートを通してお伝えしていただきました!
『動作レベルで実践できる小さなことにこそ価値がある』という、短期的な効果や手段、一発逆転的な技術に頼りがちな日々に対して一石を投じる内容です!
それではいよいよ、講義内容をご紹介していきたいと思います!!
勉強会でやったこと
伝わる表を作るには?
はじめにお話していただいたのは、かの『日経トレンディ』にも掲載された「分かりやすい」表の作り方。(凄すぎる!)
下記のような内容に少しでも心当たりのある方は、必読の内容です!
- 「これやっといて」という雑な指示を受けることがよくある
- 「何が正解か?」という正解思考に迷い込みがち
- いつも考える前に、とりあえず手を動かしてしまっている
質問①
いきなりですが、講義冒頭でおっくんから、こんな質問の投げかけがありました。
この記事をお読みの方も、スクロールする前に、ぜひ少し考えてみてください。
こんな時、あなたならどんな報告資料を作りますか?
さて、あなたはどのように感じましたか?
勉強会の参加者の方からは「読みづらい、分かりにくい」といった、様々なコメントがありました。
ゼロがいっぱいあって読みにくいなぁ
結局これ、どこを見ればいいの?
とりあえず数字が大きい所が良い所なのかなぁ?
こんなとき、おっくんならこうする!
それでは、おっくんが紹介してくれた対処のポイントを見ていきましょう!
1.まずは相手視点で考える
伝える資料化には、何よりもまず、相手の視点に立つことが大切というおっくん。
今回の相手である「本部長」が「何を知りたいか」を考える所から始めるそうです。
そうすることで、相手が知りたい情報が、相手にとって分かりやすく伝わるように整理するんですね!
2.単位と色を整理して、見やすさを向上させる
相手の知りたい情報が整理できたら、次は見やすさの向上が大切とのこと。
「この表どう見たらいいの?」という疑問を読み手に抱かせないためには、どうすればよいんでしょうか?
見やすさ向上のポイントは、『情報の強弱』をつけることなんです
なるほど!見る人が、一目でどこを見るべきか?どこが大事か?が分かるようにするんですね!
出来上がった表がこちら!
出来上がった表がこちらです!
変更前と比較すると、どこを見れば良いかが一目で分かり、とっても分かりやすいですね!
相手の必要とするポイントを抑え、表現を工夫することで、ここまで分かりやすくなるんですね!
相手にとっても、自分にとっても、ムダな時間の削除が可能になること間違い無しです。
説明しなくても相手が分かる。これこそが『伝わる表』です!!
質問②
つづいて、おっくんからの2つ目の質問がこちら!
今回もぜひ、スクロールする前に少し時間を取って考えてみてください。
あなたは「効率化」と聞いて、どんなイメージがありますか?
時短とか…楽できるようになることかなぁ?
最小限の労力で最大限の成果を上げることだと思います
何か機械が自動でやってくれるイメージ!
などなど、参加者の皆様からは、思い思いの「効率化」のイメージがコメントとして寄せられていました!
あなたは、どう思いますか?
こんなとき、おっくんならこう考える!
では、おっくんの考える効率化の定義を見てみましょう!
それがこちら!バン!!
効率化=信頼感
・シンプルな構造で作業=ミスを減らす
・信頼感が上がり、短時間で伝わる
はい、なんで信頼感なんだ?と思った方。
私もそう思いました。
ですが流石はおっくん!
その説明もバッチリ用意してくれています。
おっくん曰く、そもそも効率化するということは、相手目線の『伝わる』を考えるということ。
見づらい資料とか表が出て来たら、それを読み解くのって大変じゃないですか?思った様に理解してもらえないし、途中で諦められちゃうかもしれませんよね?
た、たしかに…(思わずドキリ…!)
つまり伝わりにくい見せ方で相手の時間を奪わないように、短時間で『伝わる』を実現することが大切なんですね!
これこそが、効率化とは信頼感だ!というおっくんの定義の根底にある考えなんだなぁ〜と、ストンと納得できました!
実際にやってみよう
ではそんな「効率化=信頼感」を実現するために、表計算ソフトで、一体どんなことができるのでしょうか?
ちょっと、興味ありますよね?
そんな私たちの疑問に答える様に、つづいておっくんが説明してくれたのは、表計算ソフトで知っておくべき『伝わる』技術についてです!
ワーク付きで、実践もバッチリ!
こうした小さな技術を積み重ねることで、『伝わる』技術が身につくんですね〜!
ワーク①:ショートカットキーを使ってみよう
まずはジャブ、ということで、スプレッドシートで便利なショートカットについて紹介いただきました。
多くのデータを扱っていると、画面をあちこちスクロールしたり、データを選択するだけでも一苦労しがち。
そんな時に便利に使える、おっくんオススメのショートカットキーがこちらです!
Ctrlキー+十字キーで、データの切れ目までカーソルを飛ばす
Shihtキーも加えると、データの切れ目までまとめて選択できる
これを知っていると知っていないとでは、データの整理のしやすさが全然違ってきますね!
ワーク②:関数を使ってみよう
続いては、データ整理に何かと便利な関数について解説していただきました。
今回のワークで使ったのは、下記の2つ!
COUNTIF関数:任意のデータが入っているセルの数を数える
COUNTA関数:データが入っているセルの数を数える
どちらも使い方はシンプル!
任意のセルに「=COUNTIF(“カウントする範囲”, “カウントしたい値”)」の様に記入することで、簡単にカウントすることができます。
1つのセルに入力できたら、あとは下に引っ張ってコピーするだけ!超簡単です!
この様に関数を上手く使えば、手作業の苦労と手間を軽減し、『伝わる』資料作りをサポートしてくれるんですね。
ワーク③:絶対参照と相対参照ってなに?
もしかしたら、(ここまでは知ってるよ〜)という方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そんなアナタのために(?)、おっくんは、さらなる発展系を用意してくれていました!
それが、「絶対参照と相対参照」です。
ワーク②でやったように、関数をコピーすると参照先のセルも自動で変更されますよね?
これがいわゆる、「相対参照」されている状態です。
この機能は便利なのですが、中には(ここの参照先は動かしたくないのに!)という場面もありますよね?
そんな時に便利なのが、「絶対参照」です!
このように好きなセルに「$(ドル)」マークをつけることで、コピーしても列や行がずれないように、固定することができるんです!すごい!!
絶対参照と相対参照の切替は手動で「$」を入力してもいいですし、「F4」キーを押すことでカンタンに切り替えることもできますよ!
流石おっくん!ショートカットキー情報もバッチリ補完しています!
これ、使いこなせば、色んな場面でとっても便利に使えそうですよね~。
いつも手動でやってました!
絶対参照とかよく分かってなくて、毎回困ってたんですよね~
F4キーがこんなに便利だったなんて…
などなど、私も含め、参加者からの共感や驚きの声が多数上がっていました。
ワーク④:エラー処理ってどうやるの?
最後に説明していただいたワークは、エラー処理でした!
「ん?何のこと?」って感じですね!
そんな参加者に向けて、おっくんがまず表示したのがこちらの表。
「何か気になるところはありますか?」
画面の前のあなたも、何か気になるところが無いか、少し眺めてみてください。
そして気になる所が見つかったら、あなたならどう対処しますか?
はい、それでは
おっくんが指摘する箇所がどこかというと…
それはE8セルとE9セルの「#DIV/0!」という表示!
確かに、何これ?どういう意味?という感じですよね。
これは「0で割り算してるよ!ダメだよ!」って教えてくれているんです。例えばE8セルでは、D8÷C8の計算を入力しています。C8セルに何も入っていないから、0で割り算してしまっているんですね。
ではどうすればよいのか?
そこでおっくんが教えてくれたのが、IFERROR関数でした!
使い方は超簡単!エラーが発生している所の計算式を、IFERROR関数でサンドイッチするだけです!
どうでしょうか?対処を入れたE8セルのエラーが消えましたね!
理解を妨げる表示が無くなり、スッキリとしています!
こういう細かな所ってそのままにしてしまいがち。
ですが、この「何だこれ?」という考えを相手に抱かせた時点で、『伝わる』資料になってないってことなんですね!
こういった所を1つ1つ丁寧にケアすることで、『伝わる』資料になるんです!
勉強会を通して感じたこと
さて、今回の勉強会では表計算ソフトで使えるさまざまな『伝わる』技術を教わりました。
1つ1つの技術それ自体に囚われずに、「簡単にする」という意識ではなく、「信頼性を上げるための施策」と意識して取り組むと、考え方やモチベーションが変わってくることが実感できます。
それではここで、ACT DAO創設者の渡辺拓さんや、参加者の方々からの感想を少しだけご紹介いたします!
参加者の方の感想
すご~い!次の会議の報告に使ってみます!
関数を効率化視点ではなく、信頼性向上の視点で見ている点がなるほどな~と思いました!
始める前に目的をキチンとつきつめることで、最適な整理ができることが分かりました!
などなど、様々な感謝や気付きの言葉が寄せられ、チャット欄が大盛りとなりました!
渡辺拓さんからの言葉
『伝わる』技術は標準化にも便利かもしれませんね!
- 誰が使っても同じ結果、品質が出るってすごい
- 覚えて使っていた方が、自分の価値も担保しやすい
- そうすると、自分の『伝わる』型ができる、つまりアウトプットの品質が保たれる
型をしっかり作って「使ってもらう」ことが大事なんだなぁ。
おわりに
…ということで、第9回 ACT DAO(アクト ダオ)スキルアップ・ミーティングは大盛況のうちに終了となりました。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
今回参加して「良かったな~」と思った方、「もっと学びたい」と思った方。
あるいは、参加できなかったけど「楽しそうだな」と感じていただいた方。
ACT DAOでは、そんな皆様の参加をお待ちしています!
スキルアップ・ミーティングは今後も開催していきますので、ぜひご参加くださいね。
お会いできる日を楽しみにしています。
それでは、また。